2010年04月21日

リファクタリング・ウェットウェア

久々のブログ。
#随分とご無沙汰…。

というのも、昨年末に転職して以来、参画していたプロジェクトにかなりの労力(精神力)を注入していたため、他へ振り分けるエネルギーが残っていなかったからなのだ。変動の激しいプロジェクトで、4月から大きくミッションが変化したのを受け、プロジェクトを異動。

個人的には大きな刺激を受けいろいろと成長できたのだが、残念ながらエンジニアとしては不本意な結果で、チームを離れることになり、若干燃え尽き症候群気味で4月を迎える。
#やっぱりアウトプット出したいよなぁ…。

そんな時出会ったのが、「リファクタリング・ウェットウェア」なる本。
#達人プログラマーの著者が書いたもの。

この本は、普段怠けがちな右脳をいかにすぐ使える状態にするかというヒントと、左脳と協調させて本質的にやりたいことを進めるかというアイディア集。
特徴的なのは、日常的に出来る実践例に溢れていること。
何の気なしに読みながら、その内容をなぞってみると、くすぶっていた私の心のモチベーションを引き出してくれる感じで、

(脳を働かすための環境って重要なのかもね…)

なんてことをシミジミ感じさせてくれた、とてもよい本。
内容はコーディングや開発とはほとんど関係ないことばかりで、エンジニアじゃない人にもお勧めしたい今年のヒット商品。
#人間の脳の働かせ方も筋トレのように、トレーニングでコントロールできるかもしれないというのをなんとなく実感できますヨ。
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2008年05月13日

Joel on Software

基本的に無学なエンジニアなので、有名(…であることを後から知った)な「Joel on Software 」を当然ながら読んだことがなかった(←威張るな!)。
#例の如くこの本も一緒に仕事をしている方に借りて、現在読んでいるところ。

プロジェクトについてや、開発者の心得、知っておかなければならない知識など、エッセイ風にトピックごとに分かれているので、電車の中で読みやすい。
#青木さんの訳も自然で、Joelのギャグもすべることなく読み進めることができるのもよい。

エンジニアとして知っておきたい(押さえておきたい)トピックが、非常に分かりやすく書かれていて感動!
#新人の時に出会っていれば、もう少し「マシ」なエンジニアになれたのではないかと残念に思うほどよく出来た本。

個別の内容について私が語るのは野暮なので割愛。
#読んでない人はぜひ読んでみて。お勧めデス。

Webでもその内容は公開されているので、そちらを覗いてみるのもいいかも。

個人的には、手元に置いておきたい1冊だ。




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2008年04月30日

アルファギークに会ってみたい…

最近読んで面白かった本が「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」。
#一緒に仕事をしている人に勧められて借りた本。

小飼さんはPerlの世界では有名人で、また物凄い量の書評が公開されるブログで知られる。個人的に

「毎日1冊は本読むぞ!」

と密かな目標を立てているのだが、せいぜい週3冊が限度。ムスコの絵本をカウントすると何とか目標達成(?)という不甲斐なさ。
#1時間に何冊も読破する小飼さんのINPUTの処理スピード並びに書評に反映するOUTPUT量には驚愕する。

(で、なんだアルファギークとは?)

と、訳も分からず読み始めたが、面白かった。
内容を簡単に言うと、「その筋では超一流の有名人」に端から会って対談する企画もの。
#基本的に出版元がWEB+DB PRESSなだけあって、Web関連の有名人が多い。Rails書いたあの人や達人プログラマの著者、はてなの社長などなど、ビックネームがずらり。

基本的に小飼さんの軽快なインタビューで、ギークの人となりが伝わってくるのが面白い。性格も人それぞれで、エンジニアやハッカーに対する定義もひとりひとりの価値観や生き方に基づいて異なっているのに何故だがホッとした。性格は異なるが、自分の専門について熱く語るのは皆同じ。
#Rails書いた人が5歳も年下なのには驚いた。世界はスゴイ人だらけデスネ…。

読むだけで何だかこちらのエンジニア魂を熱くさせてくれるこの本は、落ち込んでいる時に読んでも、調子のいい時に読んでも効く、いい薬になりそうな1冊。ポジティブに明日からやっていけそうな気になったし。
#注釈のURLを眺めて回るだけでも随分世界は広がるので、お徳かも…。

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2008年01月17日

英語屋さん

最近読んで面白かったのが、英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半

図書館で何の気無しに借りて来たのだが、意外とヒット。
井深さんの通訳として、いきなり抜擢された著者が通訳時代に学んだ色々なノウハウや思い出が書かれたもの。

この本を通じて強く感じたのは、仕事をするにはやはりパートナーとのコミュニケーションについて考えることが重要だと言うこと。相手が何を考えているのか、相手に何を伝えたいのかということを常に念頭において、自分のやるべきことを組み立てていくことの大切さに改めて気付かされた。
また井深さんの人柄や考え方に触れるエピソードの数々は、偉大なる創業者の人間性に触れるようで、感慨深いものがあった。
#ホントは英語を楽して習得する奥義みたいなものを期待して読んだのだが、英語とは関係ないことがあれこれと自分に残ったのだった。まあそれはそれでよかった。


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2007年12月12日

ロハスブーム?

ちょっと前に「面白いよ」勧められて、「生物と無生物のあいだ」を読んだところ、ちょっとした福岡伸一さんブームが訪れている。
#ミーハーなのは私の性。化学者っぽくない文学作品のような文章がステキだし、物事を考える視点と方法を分かりやすく整理しながら読者を巻き込んでいく読み口は読後気持ちがいい。

最近読んだのは「ロハスの思考」と言う本。

「なぜロハス?」と思いながら読んだが、非常〜にこの本はヒットした。ロハスという切り口で、鋭く現代社会の抱える環境問題について、福岡節?で分かりやすく書かれている本書はお勧め。
#2児の父である私には「食育」についての話もとてもためになった。

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2007年06月18日

「SEのホンネ話」は割とホンネ

今日は仕事を休ませてもらい、カミさんの妊婦検診に付き合う。
#朝の8時過ぎに受付して終わったのが14時過ぎ…。くたびれる(-_-;)

今日はエコー検査があったので、ついにミナコちゃんの性別がハッキリするかも!と意気込んで付いて行ったのであるが、残念ながら空振りに終わった。

だが8月末には対面するであろう第2子の動く姿を見ることが出来たのは有意義であった。
カミさんのお腹の中で実にアクロバティックなポーズでウゴウゴしているのを確認。いきなり足の裏が映り続いて顔…なんだこのポーズ。そう、体を「く」の字(と言うか半分折り)にして足を伸ばしていて、しかも手は腰の方へまっすぐ伸ばしていて鞍馬をやっている体操選手みたいな姿勢であった。
#決して楽な姿勢とは思えないんだが…。

おかげで肝心な部分は隠れていて分からずじまい…。次の検診はエコーが無さそうなので最悪誕生まで分からないかもとのこと。
#なんてこったい。名前考えようにもイメージわかないぞ、全く。
元気で発育も順調とのことなので、それでよしとすることにした。

休みついでに、コンタクトも使用期間が4年(使いすぎだろ!さすがに…)を過ぎたので、そろそろ新しくしようと眼科へ行く。
目自体に異常は無いものの、上まぶたが結膜炎になっていてお医者サマに説教された。
#「ひどくなる前に!」って分かっているんだけど、つい日常の忙しさにかまけて、後回しになっちゃうんだよね。いかんいかん。反省しなければ。なにせ目と手は商売道具ですから。

夜はムスコのリクエストに応えて、今年初めての花火を楽しむ。
去年は火が怖くて花火を一人で持って火をつけることが出来なかったのに、今年は随分余裕であった。

そうそう。長〜い診察の待ち時間に、上小松図書館で借りてきたきたみりゅうじさんの「会社じゃ言えないSEのホンネ話」を暇つぶしに読んだのだが、その内容にビックリ。私も独立する前は100人程度の小さなシステム会社に籍を置いていたのだが、実にこの本の8割、9割は経験済み、もしくは周りで起きていた現実のことであった。
現在のプロジェクトがとても素晴らしいところなので、今までがおかしかったのかと思っていたが、(良いか悪いかはともかくとして)実は割とよくある典型的なシステム会社だったのかもしれないと考え直した。実に多少自嘲気味な笑いと体験の共有ができてとても面白い本だった。
#きっと今だから笑って読めるんだよな、きっと。
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2007年04月24日

ちょっと自慢

私やぎぞうはフリーランスとして独立する前に、従業員100人位の小さな会社でサラリーマン・エンジニア(?)をしていた。
#現在ではその会社も買収され無くなってしまったが、会社はともかくそこで働く人たちはとても好きだった。

小さな会社だったので、ある程度エンジニアとして経験を積むと本人が好まなくても「主任」と言う肩書き(実は大したこと無い)の元に色々なことを押し付けられた。
その肩書きを押し付けられる前は、純粋に技術スキルを磨き開発の場で生かすことで評価されていたので、それなりにモチベーションが高かったのは事実である。
本来ならば、その後徐々にマネジメントについても学習と経験を重ねて将来のリーダ候補を育成していくのが会社の使命であると思われるのだが、中小企業の悲しさか、しっかりとしたマネジメント教育がされ無いまま実戦投入をされたのである。
#そういえばOJTと言う名の下に3ヶ月の研修後はいきなり実戦配備だったのですべてがそういう具合であったともいえるが、少なくとも技術的問題は技術書やネットを調べることで解決できていたので、悩みは深刻ではなかった。

そう。その時、マネジメントが何であるか理解も出来ないうちに実戦投入された私は大いに混乱した。一応ながら役職が付くと役員面談があるので、その疑問をぶつけてみたものの納得できる回答は得られず私自身が傷ついた。また私のプロジェクトリーダである上司に不満をぶつけても満足することはできなかった。

そんな最中に読んだ本の1冊が、馬場史郎さんの「SEを極める50の鉄則」であった。
#近所の上小松図書館で借りて延滞で督促の電話がかかってきたことをよく覚えている。返すの遅くなってゴメンナサイ。
この本の特徴はまず「〜」と言う鉄則が簡潔に書いてあって、その後なぜそうするべきかが詳しく書かれている。感じとしては「毎日歯を磨こう」と書かれて、虫歯のリスクと被害、その予防のために必要な鉄則と言う具合。SEとして必要なマネジメント管理についても分かりやすく実践方法が1つずつ書いてあって、随分と助けられた思いで深い本である。

と前置きが長くなったが、なんと現在参画しているプロジェクトに馬場史郎さんのご子息がいたのである!
#その方もスーパーエンジニアなので「エンジニアの血筋ってあるのかしら?」と真剣に思った。

当然、ミーハー(死語?)な私は無理を言って直筆サインをもらっちゃった♪
#当時はお金が無かったので図書館で借りたのだが、この度はきちんと買いましたよ(<当然だろ)。

当時のことを思い出すアイテムとして、また馬場さんのような偉大なエンジニアにあわよくばあやかりたいという(スケベ心)も満たすこの一冊はお宝である。
#サインのご利益あるといいなぁ。…と半ば本気で思っている時点でダメSEである。
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2007年03月04日

武士の家計簿

最近、磯田道史さんの書いた『武士の家計簿-「加賀藩御算用者」の幕末維新-』を読んでいる。

江戸末期から明治初期にかけて加賀藩の後算用者(財務官みたいな役職)を勤めた猪山家の古文書(家計簿!)から武家社会を読み解く内容なのだが、非常に面白い。

そもそも財務の役職に就きながらも、猪山家の家計は債務超過の状態にあり、そこから脱却(要は借金整理)するために家計簿が付け始められる。
#その辺が、さすが後算用者である。

借金が年収の2倍もあり、年利18%の高利子のためどんどん借金が増える一方で、消費者金融に手を出して首が回らなくなった現代の話と重なる。
しかも猪山家が特別借金が多いわけではなく、当時の武士の債務状態は似たようなものであったらしい。
猪山家では当主が一大決心の末、家を上げて借金返済を行う計画を立てるのだが、その借金返済内容も凄まじい。家財道具を売れるものはすべて売って倹約に倹約を重ねるのである。
この本によると、猪山家の経済規模が1742万円と試算されているが、当主直之の1ヶ月の小遣いはわずか5840円で、悲惨と言うしかない。

この本は猪山家の家計簿を通じて、その時代の武士の生活をからひも解く一冊なのだが、現代にも通じる生々しい生活感で共有できる部分と、武家社会特有の風俗・習慣に新鮮さ、違和感を感じることができてよかった。

猪山家の古文書を史料にまとめられた本書は、歴史の楽しさを味わうことができるとてもよい内容であった。


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2007年02月28日

外来生物の恐怖?

最近、「外来生物が日本を襲う!」という本を読んでいる。
別に日本の生態系に造詣が深いわけでも、環境問題に特別関心が高いわけでもない。

きっかけは、以前テレビを付けた時にアルゼンチンアリという外来種が広島を中心に中国地方に広がりつつあるという不気味な番組をみたことである。

キッチンのテーブルの中央に置かれたオニギリにズームすると、実は菓子に群がるアリがビッシリと覆っているという映像であった。

この映像は大学生時代の恐怖体験を想起させるものであった。

当時私はアパートの1階に住んでいて、事件の明け方まで友人達と酒を飲んでいた。始発で友人達が帰った後、ほどなく爆睡。
なんとなく首の辺がもぞもぞと落ち着かなくて目を覚ますと、地震でもないのに床が動いているような気がした。
#私は視力が0.1以下なので正確な状況を把握するまで少々時間がかかったのだ。
勘の良い方はお分かりかもしれない。
つまみで散乱した床の上に大量のアリが動いていて、あたかも揺れているような錯覚を抱かせたのである。
よく見るとこぼれた酒のプールでおぼれている奴もいる。口の辺りが痒いのも、這っている奴のせいであった。
この時は在来種の小さい奴であったのだが、寝起きで虚を突かれたため、不快指数は100を優に振り切っていた…。

これがアルゼンチンアリだったらどうだろう…と思うと寝られなくなりそうである。

と、前置きが長くなった。

この本は私が期待していた内容とは少々異なっていたのだが、興味深いことも書かれていた。
生物が進化することと異なり、外来生物は本来その地域には生息せずに「人間の活動によって」持ち込まれた生物のことをいうらしい。(例えば地形であったり、気候であったりと別の地域に移るのを阻む要因は沢山あるのだが、)その生物の移動能力を超えて他の地域にいくことは無かったのであるが、ヒトが介在することでその要因を超えることができた生物たちなのである。

厄介なのは新しい地域の生態系の頂点に立つ系の外来生物で、突然やってきた暴君に対して何の耐性もない在来生物は下手をすると絶滅する危機に瀕したり、実際に絶滅したりした例もあるそうだ。

読んでいると、色々なことをつい考えてしまう。例えば産業についても、文化についても、イデオロギーに対しても同じようなことが起きているから。長年かけて形成してきたものが、突然やってきた外圧になすすべもなく破壊されていくモデルはいくらでもある。
ただ言えるのは、一度失われてしまったものは元には戻らない。

環境問題にしても、経済、政治の話にしても、このような1夜にして構図をがらりと変えてしまうようなインパクトに対して、決定する人間はもっと慎重であるべきなのかもしれない思ったりもする。
#軽率な私が言うところが一番面白い♪

結局のところ、この本の著者の意図が酔った私に通じたかは不明である。
#内容と全然関係ないことに熱中しているし。

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2007年02月04日

2031年情報システムの旅

私やぎぞうは日経コンピュータを定期購読している。
#本当は愛読していると書きたいが、どちらかと言うと4年前購読開始を始めて以来、なんとなく継続して読んでいる軟弱派な感じなので…。

先週末、気が付くと最新号が届いていたが、前号(1/22)をまだしっかりと読んでいなかったので、この休日に読み直していた。

特集は

「2031年情報システムの旅-ITはどこまで"優しく"なれるか」

…というキューブリックが生きていたら、怒りそうなパロディっぽいタイトルであったのだが、意外と内容は面白かった。

内容は「大胆予測!!2031年のシステムはこうなっているよん」という特集だ(やぎぞうフィルタかかりすぎ??)

導入部は、今のシステムはとても効率的になったのだが、システム化が進んだ結果、人間生活を営む上で"余裕が無い"ことを指摘することから始まる。「システム化が進み、目先の利益のために効率化した結果、従業員のモチベーションが下がり、とても疲れていてやばいぞぅ」「これはもはや社会問題だ!」と現状を確認した上で、その反動(ゆり戻し)として「人間的豊かさが再度もとめられ」、「人に優しいシステムが必要だ!!」という分かったような分からないような論が展開される。

ただなるほどなぁと思ったのは、進化し続けるカーナビも、実は利用者視点のはずなのに「まずはシステムありき」の発想に陥っているところがあるのではと言う指摘の部分。
自動車のガソリンメータとカーナビの関係を取り上げて、利用者がガソリンメータを見て少なくなったから、カーナビでガソリンスタンドを検索するというのはよくあるケースだが、真に利用者視点のシステムなら、ガソリンメータとカーナビが連携していないのは不自然だと考え、給油が必要になると、その情報がカーナビに伝わり、目的地を最寄のガソリンスタンドに自動で変更するような仕組みを用意するべきではという提唱は面白い。

確かに、一つのシステムの中でユーザ視点を考えただけで、真に利用者視点を得た仕組みを提供しているかと言うと、実は作り手の自己満足に過ぎない場面は意外と多くて、そこをブレークスルーできる発想を持ったエンジニアが今後活躍の機会を見出せるのではないかという気にさせられた。
#自分がそのニュータイプエンジニアになれるかどうかはとても自信が無いが…。そうなりたいものだ。

※本文中の内容はあくまで"やぎぞうフィルター"通過後のもの。詳しく特集を知りたい方は、自分で読まれるのが一番。
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2007年01月22日

コード・リーディング

今年に入って、今のプロジェクトもようやくゴールが見えてきた。
動作検証のお手伝いも一段落したので、現在所属しているチームの成果物をまとめるべくドキュメントの作成を依頼されて、現在執筆中。

今回のお題は内部モジュール開発者向けドキュメント。

ドキュメント作成に向け、ソースファイルを開いて眺める毎日だ。
幸いなことに、今のチームの人たちが書いたコードは基本的に読んでいて楽しい。
C言語で書かれているのだが、オブジェクト指向に基づいた設計で、コードもとても綺麗。随所にカッコいいな小技が効いていて、眺めていると癒される。
#紹介できないのが残念(^^ゞ

そのソースを眺めると、オブジェクト指向に基づいたクラス設計であったり、デザインパターンが組み込んであったり、IBM等が好きそうなコンポーネントベース開発の香りを感じたりとフルコースの料理を贅沢に食べている気分を味わえる。でも定石に忠実でかつシンプルさを追求しているので、味付けはサッパリと胃にもたれないのがさらに良い。

やはり美味しい料理を食べたら人に教えたくなるじゃぁないですか。
#何とかしてその美味さを文章で伝えたいがために、日々格闘しているところと思って頂きたい。
目下の悩みは、相変わらずモノを書く技術は向上していないにもかかわらず、無謀にも読み物として面白くしたいという身分不相応な野望(ーー;)

しかし、もともとこのプロジェクトに入った肩書きが曲がりなりにもテクニカルライター!(笑)
開き直って書くかぁ。

と、もやもやした気分を勝手に自己消化していたら、以前買った本「コード・リーディング」が目に留まった。

この本はもともと帯の「コードは小説より面白い!」っていうキャッチに惹かれてつい買っちゃったものだ。内容は思っていたものと違ったのだが、C言語の基本から、プロジェクトの管理までと幅広い内容を扱っていて意外と良かった。どちらかというと本の内容はサブタイトルの「オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法」の方がよく表している。
丁度この頃、「Ship it!」を読んでいた時期でもあり、やたらオープンソースでのビルドシステムだ、バージョン管理だ、と興味があり乱読していたので、相乗効果もあったと思われるが、めでたく「やぎぞうの手元においておきたい1冊(何の名誉にもならないが…)」となっている。
本自体は重たいが、適当な章からでもコラム的に読めるので、暇つぶしにどうぞ。

と、話が逸れたが、個人的には「(優れた)コードは(下らない推理)小説より(は)面白い(かもね)!」と思っている。
#これが言いたかっただけ。
posted by やぎぞう at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2007年01月06日

ピタゴラ

毎回チェックしている訳ではないのだが、息子と一緒にNHKの教育番組「ピタゴラスイッチ」を観るのが、私の密かな楽しみの一つだ。
その中でも毎回"素敵メカひらめき"が登場する「ピタゴラそうち」のコーナーは私の期待感を嫌が上でも高めるグッド(上向き矢印)
#私の好きなクレイアニメの「ウォレスとグルミット」の主人公の一人、天才?発明家のウォレスの作品に通じる"無駄加減"と"素敵エキス"がたっぷり詰まっている感がたまらないのだ!

そんな私のために(?)作られたのではないかと錯覚してしまう本を書店で発見したので、早速購入。

ピタゴラ装置 DVDブック@

素敵メカが33本も収録されて、装置についての解説もある。さらにその装置に使われた小物たちや製作エピソードもあり、かなりお得な内容だ。

この装置は基本的な科学のエッセンスが詰まっており(例えば磁石の性質を利用するとか、天秤の知識を応用するとか、落下する物体の力を利用するなど)、子供と一緒に学ぶのによさそう。
基礎学力は重要であるにもかかわらず、学校ではただ覚えるだけの学習になりがちで、その面白さまで気付かせてくれることは少ない。しかしその知識を使って何か面白いものを作る楽しさが分かると、自分が持てる知識のすべてを動員して工夫しようとするモチベーションと、もっと色々なことを知りたいという貪欲さが刺激されるはず。
#かく言う私が刺激されてるので…。

ソフトウェア開発も同様。
仕事だからやるという動機付けでは、基礎知識(例えばアルゴリズムであるとか)に対してもあまり興味が沸かないと思う。ピタゴラ装置のような面白さを見出せるかどうかによって、やる気も変わるのでは?
#もちろん仕事でやっているのだから、要求仕様は当然満たさなければならないのだけど、「その決められた枠組みの中で面白さを見つけることができれば、それを達成するための勉強も工夫も苦にはならない」のではないかと、しみじみ思った(反省)。

自分の仕事を鑑みる機会を与えてくれる、ピタゴラ装置はスゴイ!

こんな思いを抱かせるこの本はやはり買いでしょう!追加情報
posted by やぎぞう at 06:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2007年01月04日

ロストジェネレーション

現在、購読している朝日新聞では「ロストジェネレーション」と題打ち、私が属する25〜35歳にあたる年齢層(約2000万人いるとのこと)についてのコラムが連載されている。

日本がもっとも豊かな高度経済成長期に生まれ、バブル期に幼少年時代を過ごし、戦後最長の経済停滞期に社会に出たのがこの世代。
#私も大学卒業後、就職氷河期と呼ばれた時期に就職活動をしたのだった…。

日本が抱える様々な問題をこの「ロストジェネレーション」を通じて語る記事は、私には少々生々しい現実も含んでいるが、私と同じ世代がどのように生きているのかを知る上で、非常に面白い。
#私自身、30年後の人生はおろか5年先いや1年先自分がどうなっているのか全く予測できない…。

この記事を読んでいて、ふと自分の今立っている人生について考えてしまった。
先のことを考えると全く見通しが立たないが、だからと言って日々の生活が苦痛に満ちたものであるわけではない。

考えてみると、私は高度経済成長期のような出世競争に価値観を共有することもないし、バブル期のような派手な遊び方に憧れを抱くこともない。
割と日々の小さな喜びで満足し完結できるように体ができているらしい。

また社会人になってから、生活が一変するような出来事が割りと多く発生したためか、何が起こってもそんなに深刻に悩まないようになった気がする。生活が変わるのも新しい経験ができると考えるとそんなに悪いものではない。
私の場合は、何か起こるたびに私の人生においては今のところプラスに転化できているので、変化があるのは良い兆候だとさえ思えるようになった。

というわけで、明るい未来を描けと言われてもとても無理な状況にあるが、だからといって、日々の生活が辛いわけではなくむしろ楽しく過ごしているのだから面白い。

色々考えてはみたが、私の人生は「この先どうなるか分からんがとりあえず今の今までは(自己)満足できてる人生」みたいだ。
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2006年10月28日

Ship It!

最近読んだ本で、「Ship It! ソフトウェアプロジェクト 成功のための達人式ガイドブック」はソフトウェア開発に関わる人は是非読むべきだと感動したので紹介します。

この本は実際にシステム開発に数多く携わった著者の経験から導き出されたシステム開発プロセスを最適化するヒントが詰まっています。

個人的には自動ビルドシステムを構築する手法の取り入れ方、テストスイートの開発プロセスを導入する方法等非常に参考になりました。

まずは読んでみてと言いたくなる逸品です。
posted by やぎぞう at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2006年10月11日

すべての道はローマに通ず

塩野七生さんのローマ人の物語を楽しみに読んでいるのですが、最近また文庫が発売されたので早速購入して読んでいます。
中でもローマ人の物語〈27・28〉の「すべての道はローマに通ず」はローマ人が築き上げたインフラストラクチャーについて述べたものでシリーズの中では異色の仕上がりとなっていますが、とても興味深い内容で面白かったです。

国中の隅々にまで立派な街道を敷き、ネットワークを形成した情熱は凄いものですが、古代ローマ人にとってのインフラとは「人間らしい生活をおくるために必要なこと」という内容には思わず唸りました。

私が携わるITのインフラも本来なら業務の遂行を円滑にし、それに従事する人々を幸せにするための基盤を提供することなのでしょうが、逆に人々を苦しめ不幸にするものになりかねないのが現状で、古代ローマ人がその様を見たらきっと理解に苦しむことでしょう…。


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2006年05月18日

It's Not Luck

4/20(木)のブログで、「ザ・ゴール」の書評を書きましたが、面白かったのでまたまた図書館で続編の「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス 」を借りて読んでみました。

前作にも増して読んでいて気持ちが良かったです。
この小説では思考プロセスという手法を用いて、現状の問題を解析し理想の未来へ導く方法を学ぶことが出来ます。この思考プロセスが凄いのは会社の経営に留まらず、社会生活を営む上で発生するさまざまな問題を改善していくのに応用できる点です。

小説スタイルをとっているので読みやすいのと、前作からのなじみの登場人物が問題を解決していくのがハマります。
#自分が問題を解決していっているように錯覚します。

ちょっとお勧めの本です。
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2006年04月20日

The Goal

4/6(木)のブログで、TOC(制約理論)についてのセミナーを受けたことを書きました。

その後、近所の公立図書館のOPACで「The Goal」を検索したところ取り寄せが可能であったため、予約して借りて通勤の合間に読んでみました。

感想としては思っていたより、ずっと面白い内容でした。

ストーリーはある機械メーカーの工場長が主人公で、経営の悪化による工場閉鎖の危機をTOCの理論を見つけ出し、見事業務改善を成し遂げる(その業務改善方法がTOC)というシンプルな筋書きです。
サイドストーリーとして、主人公は業績の悪化による残業が家庭の崩壊(離婚)の危機も引き起こしそうになるのですが、工場の再建と共に適正な仕事量が残業を減らし、結果家族の時間も増やすことになって、夫婦の関係も修復。めでたく「ハッピーエンド」という話が盛り込まれています。実はこの点が強く(残業に泣かされている)ビジネスマンに支持されている要因ではないかと感じました。
#やっぱり「やりがいのある仕事の達成」と「家族との充足した生活」の両立はあこがれてしまいます。両方を勝ち取った主人公のようになりたいですね。

TOCの概念が分かりやすく学べるだけでなく、小説としても読みやすくて楽しい本書はお勧めです。
posted by やぎぞう at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評